ドイツ語、日本語、英語に対応。簡単に「できますよ」と言っていただいた。
洋書と和書を一つの画面で管理。さらにOPACを3ヵ国語(ドイツ語、日本語、英語)で、インターネット上で公開する。複数の図書システムを検討しても、対応しているソフトは見つからない。そんな時に、システムラボに相談すると希望通りの提案が出てきた、とお話になる堀越葉子様にお話をお聞きしました。
※OPAC: 図書館において公共利用に供されるオンライン蔵書目録。
日本についてドイツ語で書かれた文献は全て集める
― 最初にドイツ日本研究所について教えてください。
ドイツ日本研究所は、1988年にドイツ連邦政府により設立された現代日本に関する研究を専門とする学術研究機関です。図書室では、ドイツ語で書かれた日本に関する文献はすべて集めています。二年前まではドイツ人司書1名、日本人司書1名の二人の体制でしたが、今は私が司書として、一人で図書室の業務を担当しています。
― システムラボさんとはどんなお付き合いをなさっていますか?
99年にLXを導入してからカスタマイズと保守をしていただいています。ドイツではオフィス機器を買い取ることが殆どで保守を付けません。コピー機などはその好例ですが、図書管理システムはそういうわけにはいかないので、保守をお願いしています。
― 以前はどのようなシステムをご使用でしたか?
アメリカ製の図書管理システムのドイツ語版を使用して、図書の管理を行っていました。しかし、自館OPACとNACSIS-CATを別のソフトで管理していたので、作業が二度手間になっていました。手間がかかるだけでなく、入力ミスの可能性もありましたし、業務自体が非効率だと感じていました。
― 非効率な2重作業になっていた理由はなんですか?
洋書と和書を同時に入力と管理ができるソフトがなかったからです。洋書はドイツ語が主ですが、英語やフランス語で書かれたものもあります。また、和書は英語とドイツ語の検索画面ではローマ字表記をする必要があります。導入に際しては、すべてを一つの画面で管理できるソフトを探していました。
― ご希望のソフトは、すぐに見つかったのですか?
英語のみに対応するソフトが殆どで、ドイツ語対応は難しいという回答ばかりでした。特に、インターネット上でOPACを日本語、ドイツ語、英語で公開する際、ドイツ語独特のウムラウトやフランス語のアクサンを表記できるソフトはありませんでした。
※ウムラウト:ドイツ語などで、母音の音色がそれに後続する音節の影響で変化すること。母音変異。また、変化したその母音。変母音。ドイツ語では、、のように示す。
データ移行だけに関しても、安くはない金額でした。やりたくないという意思表示なのか、実際に負荷がかかるのか、いずれにしても、こちらの立場を理解した提案ではなかったと思います。
予算内で洋書と和書の管理ができたのはシステムラボだけ
― システムラボをお知りになったきっかけを教えてください。
図書の購入をしている大手書店さんに3ヵ国語の管理ができるソフトを紹介していただきました。しかし、紹介されたソフトは、予算面で折り合いがつきませんでした。それで、独自で探していたところ、システム担当者からシステムラボさんがいいのではないかという提案がありました。それで、お会いして、こちらの要望を伝えました。
インターネット上でOPACを日本語、ドイツ語、英語で公開すること、ドイツ語独特のウムラウトなどの表記が必要であることをお伝えしました。それまで難しいと思っていたことを「できますよ」と簡単に言っていただけたことを覚えています。
― 発注に際してどのように検討なさいましたか?
検討段階から考えれば5社からお話をお聞きしました。こちらの最重要課題は、OPACを3ヵ国語で、インターネット上で公開することでした。それができるかどうかと価格が予算内におさまるかどうかをお聞きしました。
― 各社の反応はいかがでしたか?
大手は無理という回答でした。できるだけカスタマイズすることなく、既存ソフトを導入することができれば効率的ですから事情はわかります。
― 最終的な決定要因を教えてください
先ほどお話ししたように、ドイツ語、英語、日本語での検索と入力に対応できるかどうかでした。最終的には2社に絞ったのですが、他社にはドイツ語のデータ移行段階で難色を示されました。一応、見積をいただきましたが、LXとは桁が一桁違った記憶があります。いずれにしても、ウムラウトなどの表記ができたのはLXだけでしたから、詳細な比較をすることもなく決定しました。
― システム導入までにどんな打合せをしましたか?
現状のデータを見ていただき、間違いなく効率的に移行する方法を検討していただきました。OPACを3ヵ国語で、インターネット上で公開できること、ウムラウト記号の表記など、事前の打ち合わせを再確認しました。作業はスムーズだったと記憶しています。
対応が早く、カスタマイズに強い
― 導入してみていかがですか?
仕事が効率的になりました。LXは、インターフェースも使いやすいですね。
― システムラボの強みだと思う点を教えてください。
1:対応が早い
システムの方から直接連絡をいただけるので、対応が早いですね。間に人が入らないので、話が伝わらないということもありません。
導入当初はバグがありましたが、迅速丁寧に対応していただきました。研究所のシステムとぶつかって一定時間が経過するとフリーズすることもありましたが、それも速やかに対応していただきました。今は問題ありません。
2:カスタマイズに強い
図書管理システムでも3ヵ国語管理というのは特殊だと思います。そういったこちらの特徴を理解していただいているのも助かります。カスタマイズに精通している企業の強みだと思います。
3:クライアントのことをよく知っている。
担当者が代わらないので、クライアントのことをよく知っていただいていると思います。導入から現在まで同じ担当者さんでお付き合いいただいているので、安心してお付き合いができます。
― これから、システムラボにどんな期待をしていますか?
このままお付き合いをしていただければいいと思います。ご担当者さんに代わらないでいただければいいですね。