図書館の運営にはシステムの導入が便利です

図書システムと言っても、ピンとこない方がほとんどかと思います。
身近に触れると機会があるとすると、お近くの公共図書館ではないでしょうか。
また、学生時代に図書館にお世話になった方も多いかと思います。
ここでは、図書システムの種類から具体的な選定方法までをご紹介します。

図書システムの種類

一般的に、図書管理システムは大きく4つに区分けされます。

公共図書館向け

【中~大規模】幼児からお年寄りまで年齢層を問わずに利用でき、365日体制の保守を行ってくれる。映像などの視聴覚資料も多く、移動図書館や自治体内にあるいくつかの図書館が連携していることが多い。読んだ本の情報など、個人の趣味や嗜好に関して特別な配慮している。

大学向け

【中~大規模】国立情報学研究所と連携する必要があり、他機関と連携するサービスも求められる。毎年教科ごとに課題資料が必要なこともあり、同じ本を複数冊数、取りそろえていたり、夏休みなどの例外的な処理がある。

小学校~高等学校向け

【小~中規模】生徒から教員まで容易に扱え、自治体などとの連携も必要な場合がある。生徒の読書記録や表彰で利用率を上げる工夫がなされており、小学校の低学年向けに難しい漢字を使わずに、ひらがな主体の画面構成が用意されている。

企業図書室向け

【小~大規模】社内のみで管理。他機関との連携やデータ公開の必要性がない。

まず、自社内での基本的な運用をイメージしてみましょう。

  • 社内だけで利用し、他機関との連携はしない
  • データの入力は簡素化したい
  • 登録したデータは、社内イントラで検索したい
  • 利用者の年齢層は、20~60代

これらを考えると、公共や小~高校・大学向けである必要がありません。
幼児やお年寄りは使用対象者から外れますし、他機関との連携は必要なく、外部にデータを公開することもありません。
将来的な蔵書件数の増加を見越し、システム上でデータ制限のない小規模から大規模まで対応できる図書システムであることも考慮しておく必要があるでしょう。
これらで判断すると、自社内へ導入するシステムは、企業図書室向けの図書システムが有力となります。

構成はオンプレかクラウドか

選定する要素として、システム構成も欠かせません。
これまで一般的であったオンプレミス(サーバークライアント)以外にも、クラウドという選択も可能になってきました。

ここでは、それぞれの利点を考えてみましょう。

オンプレミス

  • 社内にサーバーを設置して、セキュリティを確保したい
  • 既存サーバーや仮想サーバーを利用したい
  • 図書システムの導入費用は、ソフトウェア資産としたい

クラウドサービス

  • システムやサーバーの保守やメンテナンスの手間を省きたい
  • エンジニアのサポートはクラウドだと迅速
  • 図書システムの導入費用は、なるべく安価に抑えて利用料として計上したい

目的によって、どちらの構成でも構築できる図書システムであれば、選択の幅も広がってくるのではないでしょうか。

企業図書館向けシステムの利点

企業図書館向けのシステムは利用者が幅広く利用するシステムでないこと、他機関との連携がないことなどから、自由度が高いシステムです。
自由度が高いことから、既に社内で運用されているシステムとの連携や既存資産の活用ができる場合があります。
具体例として、人事や会計システムとのデータ連携や非接触型カードの社員証を使った貸出時の認証が挙げられます。
既存の運用ルールにシステムが合わない場合、それに対しての提案やカスタマイズで対応できるシステムかどうかも考慮する必要があるでしょう。
また、電子書籍やオンライン雑誌などにも対応できることが望ましいポイントです。

データ入力支援

入力支援方法も、システムを選定する大きな要因となります。
システムへのデータ入力は、手入力より「楽な方法で入力したい!」と、ほとんどの方が仰ります。データを登録する管理者向けには、大きく下記の機能があります。

  • 国立国会図書館からの提供データ
  • 各種MARCデータの取込
  • opendb等と連携した書誌書影データの表示

国立国会図書館からの提供データを自動取込できる機能など、取り扱っている間口は多いほうが良いですが、それよりもいかに幅広い分野を網羅して、いち早く提供できるかが大切な点です。
一般的に、国立国会図書館からの提供データは、出版物が国立国会図書館に到着してから1か月程度と言われています。

また、書店やTRC-MARCなどで提供される外部データも活用できます。

図書管理システムLXでは、国立国会図書館の提供データだけではなく、「日外アソシエーツ」より書誌情報の提供をうけて、いち早く提供できるようにしています。

データ入力支援の引用元の実績

LXでのデータ入力支援を2022年3月に解析したところ、72.95%が日外アソシエーツ社からのみ取得しており、国立国会図書館にも存在したものも併せると89.45%に達しました。

日外アソシエーツ社は、Amazonも利用しているBookデータベースの作成元の一社であり、パーソナルコンピューター黎明期より書誌情報の提供を始めた老舗です。国立国会図書館から取得できない海外の本に関しても、 Google ブックスより書誌情報を取得しています。

書誌情報の他に opendbとの連携によって入力された図書の書誌データの書影を登録画面上でも表示します。これによって、登録ミスを軽減できます。

ユーザーインターフェース

Web検索(OPAC)や貸出返却など、利用者が直接システムへ触れる使い勝手の部分も選定項目のひとつです。

特にOPACでは、どのようなものが検索できるのか、絞り込み・ソート機能の他にも、応答反応時間やユーザーインターフェースも使い勝手に大きく影響します。
機能が多すぎても、検索結果の表示まで待たされるようでは、ストレスを感じて利用しなくなりますし、公共や学校向けの図書システムで必要になる簡易的な検索画面は必要がありません。

頻繁に利用するわけではない一般利用者にとっては、直感的に利用できるシステムであることが大切です。

また検索結果画面や貸出返却画面に、opendbとの連携によって書影データを表示することは、ユーザーへ提供する有効な機能と言えるでしょう。

データ出力

欲しいデータを任意に出力できることもポイントになります。
利用実績などは標準的な出力でカバーできますが、それ以外の細かな情報は、ユーザー側で出力条件や項目を選択できることが望ましい機能です。
パッケージでこの機能がないと、新たに出力機能をカスタマイズする必要があり、費用が発生してしまう場合があります。また、他システムへ乗せ換える際、データが自由に出力できない場合、高額な料金を支払ってデータ抽出を依頼しなければならないことも珍しくありません。

システムのサポート

使い方の問い合わせやシステムトラブルなどのサポート体制も判断基準のひとつです。
公共や大学向けでは365日のサポートが必要になりますが、企業向け図書システムでは営業日のサポート提供があれば充分ではないでしょうか。
365日体制だとサポート料金も高額になりますが、営業日対応・サポート内容の選択がユーザー側でできるシステムであれば、サポート費用も抑えられます。
図書システムLXでのサポートは、お問合せに対して3営業日以内と規定しておりますが、実際は何かしらの対応は当日にいたしております。
クラウドサービスにおいても、操作方法や運用相談などもサポートしており、場合によっては現地訪問対応もいたしております。もちろん技術的なご質問にも対応いたしますので、オンプレミスと変わらぬサポートをお客様へご提供いたします。

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