図書館というと少しハードルが高くなりますが、例えば図書コーナーと考えればいかがでしょうか。
なんでそんなことする必要があるの・・・って思いますよね。
ある社員があるプロジェクトを任されたときに、プロジェクトを遂行するための情報集めを行うときにインターネットで資料を集めたり、場合によっては最寄りの図書館や書店で資料を収集するでしょう。
また、上司や先輩、同僚にも意見や助けを求めたりもすると思います。
図書室(図書コーナー)の必要性
既にプロジェクトに必要な情報が自社にあったらどうでしょうか。
過去に似たようなプロジェクトを行っていて、その時に集めた資料があれば参考になります。プロジェクト自体の計画書や報告書もそろっていたらとても心強いのではないでしょうか。
一般的には図書館というと小説や専門書、雑誌といったものをイメージすると思います。企業の図書室では事業の遂行に必要な資料を集めて保管し、周知することが大切です。
企業(企業の規模を問わず)ではその企業が行っている事業に必要となる資料や本が必ずあるはずです。資料を適切に管理して、長く利用できるようにするが大切です。
今回は資料の環境整備や、これからも長く利用する為の資料自体の保存方法について、いくつかご紹介したいと思います。
資料の収集について
まずは現在、社内に散逸している資料を集めることから考えてみましょう。
こんな状況ではありませんか?
会社の経費で購入した本や雑誌が、個人の机の引出しの中にあるという話はよく聞きます。
それも同じ本を複数の人が持っていたりするケースがあり、会社としては経費の無駄遣いとなりますよね。
まずは会社の本棚に無造作におかれてある本や資料、個人で抱えてしまっている本や資料を収集することから始まります。
資料の保存方法あれこれ
同じ本や資料は必要なものだけを残して不要なものは破棄します。必要な本でも事務所のスペースには限りがあるので、賃料の高い都心ではなく、貸倉庫に預けてしまうこともあります。
古い資料のカビ対策
古い本や資料の場合には、カビ臭いことがあります。
カビ臭い資料がとても貴重なものの場合にば、専門業者にてカビ対策を行ってもらうのがよいでしょう。
ここでは簡単にカビ対策とはどんなことをするのかをご紹介します。
地下書庫などコンクリートに囲まれた部屋ごとカビ対策が必要な場合はその部屋ごと特殊なガスを使って燻蒸します。
燻蒸後はそのガスを回収して作業は終了です。
少量の本の場合は業者が持ち帰るかもしくはビニールで覆い燻蒸するようです。
デジタルデータの管理
具体的に本や資料を、どのように保存する方法について、いくつかご紹介します。
新しく購入する場合や、定期購読雑誌などでは、引き続きお付き合いのある書店でもいいですし、この機会に見直してみるのもいいでしょう。
書店によっては専門員による、選書サポートも行っていますので、利用してみるのもいいでしょう。
社内資料(報告書や研究資料)ですがおそらくほとんどが、デジタルデータとして保存・管理されていることでしょう。
デジタルデータの管理については、文書管理システムや図書管理システムで、サーバのどこにその情報があり、どのようにしてアクセスするかの手段(URL)を管理すればいいと思います。
紙の資料の管理
紙でしか存在しない資料もまだまだ多いと思います。
紙でしか存在しない資料に関しては、おそらくこの世界に1つしかないものもあるでしょう。
デジタル化されていない、紙の資料を長く利用するためには、カビや虫、人間の油脂から守る必要があります。
主に紙資料を長期保存するために有効とされるのが、中性子の箱や封筒です。これらを専門業者から購入し、保存する為に使います。
図書システムと資料整備
一般的な本や社内資料であれば、簡易的な図書システムを導入して、本や資料の情報を登録することがお勧めです。
この場合、その本と図書システムを結ぶ大切なものとしてはバーコードラベルがあります。
バーコードラベル
バーコードラベルの作成については、印刷業者に依頼して作成する方法と、図書システムからバーコードラベルを印刷する方法があります。
印刷業者から購入する場合は例えば“100001”から10,000枚といった形で注文します。
ラベル上半分に色を付けて(コーポレートカラー等)会社名などを白抜き文字で印字します。
“〇◇▽図書室”のようにします。
印刷業者へ依頼したバーコードラベルであれば、バーコードラベルの上に、ラベルキーパーとしてラミネートフィルムが張られています。
そのラミネートフィルムごと本に貼り付けます。
バーコードを貼り付ける場合は三種類の方法があります。
- 本のカバーと本そのものをテープで固定する
- 本のカバーを捨ててしまい、本そのものにバーコードラベルを貼り付ける
- ブックカバーフィルムでカバーごと覆ってしまう
ブックカバーフィルム
カバーごと本全体にブックカバーフィルムを張ってしまう方法もあります。
これは公共図書館や大学図書館、中学や高校の学校図書館でも行っている本格的方法になります。
ブックカバーフィルムを張れば、紫外線や手の脂から本をまもってくれるので、余裕があればおすすめの方法です。
三段背ラベル
バーコードラベルと同様に大事になるのが、三段の背ラベルです。
このラベルの用途としては、この本がどこの棚に並んでいるか表しています。
1段目は分類、2段目は著者名の頭文字、3段目はシリーズ物の連番を記入することが一般的です。
書店でもコーナー毎に置いている本が違うように、まずは大きく分類でわけます。次にその分類の中で著者名順に並べていきます。同一の分類の中で別の著者が記述した本の場合は、2段目に著者名の1文字の次に番号をふって、「タ1」のように厳密に管理する方法もあります。シリーズ物などは3段目に連番で並べていきます。シリーズものではない場合は3段目は記入しません。
分類、著者名、連番と一冊の本に置き場所を決めることで、膨大な本の中で迷子にならないようにします。図書システムでこの三段の背ラベルが分かれば、実際にどこに本があるか容易にわかります。また本を戻す場所も分かりますし、間違った場所にある本もこれで判別できます。
三段ラベルに関しては、図書システムへの入力が終わった後に、データの一部をもとに印刷される場合が多いです。
本棚に資料を置いてみる
本や資料を整備したら、次は書架に納める必要があります。
もし書架がない場合は新規で購入されるケースもあるかもしれません。
その場合はやはり図書館の用品業者から、購入されるほうがよろしいかもしれません。
地震対策のため床に固定したり、複数の書架をつなげてしまったりします。
初めて図書室(図書コーナー)を作るようなケースでは大げさですが、冊数が多い場合には、少ないスペースに多くの本をおける「電動書架」が有効です。
一般的な事務所で設置するキャビネット内に収まるようでしたら、特段の配慮は必要ありませんが、本の冊数が多い場合には床の構造にも注意する必要があります。紙の資料の重量は重いので馬鹿にはなりません。多数の書庫を設置する場合は建築基準法にて細かく床荷重が定められています。床版又は小梁の場合で通常の事務室の2.7倍、電動書架の場合は4.1倍程度になります。
表 4.1 積載荷重 (単位:N/m2)
室名等 : 床版又は小梁計算用 (備考)
建築構造設計基準の資料(令和3年改定) より 一部抜粋
研究室 : 2,900 (実況に応じて算定する)
一般書庫 : 7,800 (通常の階高の室に満載の書架を配置した場合)
移動書架を設置する書庫 : 11,800 (一般書庫の 1.5 倍程度)
最近のオフィスビルではサーバ等を設置する為にヘビーデューティーゾーンが設けられています。ヘビーデューティーゾーンでしたら電動書架を設置することも可能です。
図書室つくりをお手伝いします
ここまでお話した内容を行って図書室を構築するのはマンパワー的にも無理なのでは・・・と感じてらっしゃる方も多いと思います。
自社での情報管理の必要性は感じているが、それを実現するにはコストと時間がかかりすぎる。
ただでも毎日の業務に追われているのに、新たに人材を割くことは不可能と結論付けているのではないでしょうか?
現在は私共のサービスの一環として、図書システムへのデータ登録作業や、バーコードラベル貼り付けなどの作業を請け負うような体制を構築しています。是非一度、ご相談いただければと思います。
図書システムは勿論のこと、必要な図書用品や管理方法の提案など、最適なご提案をさせていただきます。