図書館用語集

図書管理システム・図書館運営でよく使われる用語をまとめました。

目次

  1. 資料の種類
  2. 目録・分類・検索
  3. 蔵書管理・配架
  4. 貸出・利用サービス
  5. 情報資源・学術情報
  6. 著作権・法制度
  7. 図書館制度・組織
  8. 図書の構成要素・識別子
  9. システム設定・運用

1. 資料の種類

用語説明
図書単独のタイトルのもとに刊行される一般的な書籍を指し、雑誌タイトル(逐次刊行物)と対比して用いられる用語です。本システムでは、白書・年鑑など図書館において逐次刊行物として扱われるものも、図書として取り扱います。
雑誌タイトル雑誌や新聞など、一つのタイトルのもとに終期を定めず、巻次・年月を追って継続的に刊行される出版物を指す。図書館用語では、これらを一般に逐次刊行物と呼ぶ。本システムでは、これらをまとめて「雑誌タイトル」と表記している。
雑誌各号書誌定期刊行物である雑誌タイトルについて、各号(発行単位)ごとの書誌情報をまとめたもの。
AV資料視聴覚資料(Audio Visual)の略称。DVD、CD、ビデオテープ、カセットテープなどを指す。
電子ジャーナル従来の紙媒体の雑誌を電子化したもの。主に学術雑誌の分野で普及している。
参考図書辞書、事典、年鑑、地図など、特定の事柄を調べるために作られた、通読を目的としない資料。館外への貸出しを禁止している場合が多い(→ 禁帯出)。
叢書一定のテーマ、著者、形式(装丁や判型)に基づいてシリーズとして順次刊行される書籍のコレクション。双書ともいう。
紀要大学や研究機関が定期的に発行し、所属研究者の研究成果や論文を掲載する学術機関誌。
学術雑誌大学、研究機関、学会などが発行する専門的な論文を掲載した雑誌タイトル(逐次刊行物)です。実際には学会誌や紀要などを指します。
マイクロ資料微細に縮小撮影されたフィルム状の資料。リール型と1枚もののフィッシュ型(マイクロフィッシュ)がある。閲覧には専用のマイクロリーダーを使用する。
テクニカルリポート / 規格・特許特定の技術研究報告書、JISなどの標準規格、特許情報などの専門的な実務・研究資料。
一次資料著者が直接記述したオリジナルな情報を含む資料(論文、レポート、原典など)。
二次資料一次資料(論文や原典)を検索するためのツール(目録、索引、抄録など)、あるいは情報を要約・整理した資料(百科事典、ハンドブックなど)。
製本雑誌の既刊号や小冊子を数冊まとめて一冊の本に製本し直すこと。合本ともいいます。
改訂版既刊本の内容修正や新しい情報の追加を行って発行された版。
加除式資料法令集や規則集など、内容の追加・差し替え・削除が前提となった形式で刊行される資料。最新状態を維持するため、改正のたびに差替え用ページが送付される。
課題図書学校や図書館が読書活動の一環として、児童・生徒に読むことを推奨・指定した図書。
複本同一の図書を複数冊所蔵すること、またはその冊数。需要の高い資料に対して複数冊購入する場合などに用いる。
新着図書図書館が新たに受け入れた資料。利用促進のため新着コーナーに展示されることが多い。

2. 目録・分類・検索

用語説明
目録 / OPAC図書館資料の書誌事項(タイトル、著者等)を記録し、検索可能にしたもの。図書館が所蔵する資料の書誌情報を一定の規則で並べたリストであり、コンピュータ化されたものをOPAC(Online Public Access Catalog)と呼ぶ。
日本十進分類法 / NDC日本の図書館で最も広く採用されている標準的な図書分類法。0(総記)から9(文学)までの数字を用いて、資料を主題(内容)ごとに階層的に分類する。NDC は Nippon Decimal Classification の略称。
書誌タイトル、著者、出版者、出版年、ページ数など、資料を識別・同定するための構造化された情報。文献目録としての側面に加え、現代ではデジタル環境における「データ」としての重要性が極めて高い。
請求記号資料の内容を NDC に基づき数字で示した「分類番号」と、著者名等に基づく「図書記号」を組み合わせた記号。資料の背表紙に貼付されたラベルに記載され、書架(本棚)上の正確な位置を示します。本システムでは、分類番号・図書記号・連番の3つの入力項目で請求記号を管理しています。
背ラベル資料の背表紙に貼付する、請求記号を記載したラベル。分類番号・図書記号などを印字し、書架上での正確な配架位置を示します。本システムではラベルの印刷出力に対応しています。
件名資料の主題や概念を表す語で、検索の手がかりとなる。件名標目とも呼ばれる。
典拠データ著者名や件名などの表記を統一し、検索性を高めるために作成される基準データ。
抄録 / abstract文献(主に論文やレポート)の内容を簡潔に要約した文章。英語では abstract と表記する。
ディスカバリーサービスOPAC・電子ジャーナル・データベースなど、多様なリソースを一つの窓口から横断検索できるサービス。本システムでは、ScienceDirect などの代表的なサービスとの連携に対応しています。
パスファインダー特定のテーマについて、効率的に資料や情報を探すための手順をまとめた入門ガイド。
所在資料が現在どこに置かれているかを示す情報。書架番号・フロア・配架場所などで表され、OPACの検索結果に表示される。
同義語意味が同じまたは非常に近い別の語。目録・検索においては、異なる表記や表現でも同一の概念を指す語として扱われる。件名標目や典拠データでは、優先形とともに異形(非優先形)として登録され、検索時に表記ゆれがあっても正しく検索できるよう活用される(例:「コンピュータ」と「コンピューター」)。
シソーラス語と語の同義・上位・下位・関連など、意味的な関係を体系的に整理した統制語彙。検索時に関連語・上位語・下位語へ展開することで、関連資料を漏れなく探せるようにする。データベース検索や件名検索で活用される。
異体字標準字体(正字体)と意味・読みは同じだが、字形が異なる漢字のこと(例:「斎/齋」、「渡辺/渡邊」)。書誌データや利用者名において表記ゆれが生じやすいため、異体字の適切な管理が重要です。本システムでは異体字辞書を内包しており、異体字を考慮した検索・管理に対応しています。
全文検索資料のタイトルや著者名などの書誌項目に限らず、本文テキスト全体を検索対象とする手法。主な実装方式として N-gram方式 と 形態素解析方式 がある。
N-gram方式全文検索の実装方式の一つ。テキストを一定長(N文字)の文字列に分割してインデックスを作成する方式。
形態素解析方式全文検索の実装方式の一つ。テキストを形態素(意味を持つ最小単位)に分割してインデックスを作成する方式。日本語では MeCab や Kuromoji などの辞書・解析エンジンが必要となり、辞書の精度に検索結果が左右されるほか、新語への対応コストが高い。
セマンティック検索語の表記や文字列の一致ではなく、テキストの意味・文脈をもとに関連資料を検索する手法の総称。同義語・言い換え・表記ゆれが異なる場合でも、意味的に近い資料を発見できる。ベクトル検索はその代表的な実装手段の一つです。
ベクトル検索セマンティック検索(意味検索)の一つ。テキストや語句を多次元の数値ベクトルに変換し、ベクトル空間上での類似度(コサイン類似度など)をもとに関連資料を検索する手法。キーワードの一致ではなく意味的な近さで検索するため、表記ゆれや言い換えがあっても関連資料を発見しやすい。
一般注記書誌レコードにおいて、他の注記フィールドに該当しない補足情報を自由記述で記録する項目。内容の要約・利用上の注意・付属資料の説明など、多様な補足情報の記録に用いられます。

3. 蔵書管理・配架

用語説明
配架(はいか)図書館資料を請求記号の順序に従って、正しく書架に並べること。「排架」とも表記されるが、実務上は「配架」が一般的に用いられる。
書架図書館内で資料を収納・展示するための棚。開架エリアに設置され、利用者が直接資料を手に取ることができる。
書庫利用者が直接立ち入ることのできない閉架式の保管室。貴重書・過去の資料・大量の蔵書などを保管するために使用される。
開架利用者が書架から自由に資料を手に取れる状態やその場所。
閉架利用者が直接立ち入れない書庫などに資料を保管する形態。開架の対語。
別置特定の資料(参考図書・新着図書・課題図書など)を、通常の請求記号順の配架とは別の場所に設けた専用コーナーに配置すること。
禁帯出貴重書や参考図書など、図書館外への貸出しを禁止している資料。
遡及入力(そきゅうにゅうりょく)図書館システムを新規に導入・移行した際や、これまで未登録だった既存蔵書を対象に、書誌・所蔵データをさかのぼってシステムへ登録する作業。「遡及登録」「レトロコンバージョン(Retrospective Conversion / レトロコン)」とも呼ばれる。作業規模が大きい場合は専門の入力業者に委託するのが一般的であり、本システムでは提携入力業者をご紹介しています。
除籍紛失や劣化、不要などの理由で、所蔵資料を登録名簿から抹消すること。
亡失資料が紛失・滅失し、所在が確認できなくなった状態。除籍事由の一つ。
蔵書点検システム上の所蔵データと実際の棚にある資料を照合し、紛失や誤配架、損壊の有無を確認する作業。企業が行う棚卸のことです。
曝書(ばくしょ)蔵書の虫干し・点検・整理を目的として行う作業。資料の保存状態を確認しつつ、害虫・カビ・劣化の防止を図る。この期間中は図書館を休館することがある。
選書図書館の目的・収集方針に応じた適切な資料を収集すること。
購入依頼利用者が、図書館への資料購入を求める申請。選書・発注の起点となる業務であり、申請者・資料情報・依頼理由などを記録し、選書担当者が受入可否を判断します。本システムでは、承認済みの資料について申請者自身が入力する運用をサポートしています。
コレクション構築図書館が収集方針に基づき、図書、雑誌、電子リソースなどの蔵書を形成・評価する一連のプロセス。選書を含む広義の概念。
寄贈個人や団体から図書館へ無償で資料が提供されること。受け入れるかどうかは図書館の収集方針に基づき判断する。
移管資料を別の図書館・分館、または館内の別の場所(開架⇔閉架など)へ移すこと。
見計い出版社や取次が図書館の収集方針に基づいて資料を選定・納入し、図書館側が内容を確認したうえで購入を決定する仕入れ方式。
増刊雑誌タイトルにおいて、通常の刊行スケジュールとは別に臨時で発行される号。特集テーマを設けて発行されることが多い。
合併号雑誌タイトルにおいて、複数の号をまとめて一つの号として発行したもの(例:7・8月合併号)。
分冊雑誌タイトルにおいて、一つの著作や資料を複数の冊子に分けて刊行したもの。大部な資料に多い。
別冊雑誌タイトルにおいて、本冊とは別に、付録や特集として刊行される冊子。
刊行識別雑誌タイトルの各号・各巻を識別するためのコードや情報(巻号、年月次、通号など)。受入・所蔵管理やシステム上のデータ登録に用いられる。
返本雑誌タイトルにおいて、図書館が購入・受入した資料のうち、不要・未使用のものを出版社や取次へ返品すること。
清算雑誌タイトルの定期購読を途中で解約した際に生じる残額の払い戻し、または出版不況に伴い出版社や販売会社が事業の整理・精算を行うこと。
欠号雑誌タイトルのうち、何らかの理由で欠けている特定の号。
ブックコート本の表紙が破れたり紛失したりするのを防ぐために貼る、透明な保護フィルム(ブックコートフィルム)のこと。図書館では資料の耐久性を高めるために用いられる。

4. 貸出・利用サービス

用語説明
閲覧図書館の資料を調べたり読んだりすること。
館内閲覧禁帯出資料など、館外への持ち出しができない資料を図書館内で利用すること。
延滞借りた資料を定められた貸出期限内に返却しないこと。
長期貸出通常の貸出期間を超えて資料を貸し出す特別な貸出形態。教員・研究者など特定の利用者区分に対して適用されることが多い。
督促貸出期限を過ぎても返却されない資料について、利用者に返却を求めること。郵便・メール・電話などの手段で行われる。
予約利用者が貸出中の資料に対して貸出の順番を確保すること。予約が登録されると、当該資料が返却された時点で予約者へ通知され、一定期間取り置かれる。
相互貸借 / ILL (Interlibrary Loan)図書館間相互貸借。自館に所蔵がない資料を他館から借り受けたり、文献複写を入手したりして利用者に提供するサービス。NII の ILL については、株式会社エム・ビー・エーが提供する MILAGRO との連携により利用可能です。
文献複写サービス他館が所蔵する雑誌論文や図書の一部について、複写物(コピー)を取り寄せて利用者に提供するサービス。ILL の一形態であり、著作権法第31条に基づいて実施されます。依頼・受付・料金処理を含む一連の業務を指します。本システムでは、申請者自身が依頼内容を入力し、管理者が複写サービス事業者へ発注する運用をサポートしています。
SDI (Selective Dissemination of Information)選択的情報提供。あらかじめ登録された利用者の関心テーマや検索条件に基づき、合致する新着資料情報をプッシュ型で通知するサービス。本システムでは、メールによる通知に対応しています。
レファレンスサービス利用者の調査・研究を支援するため、図書館員が適切な資料の紹介や情報の提示・検索援助を行う参考業務。
ラーニング・コモンズ複数の学生が集まり、多様な情報資源を活用しながら議論や共同学習を行える共有スペース。
一夜貸出通常は館外貸出を行わない資料(禁帯出資料や雑誌など)を、閉館時から翌日の開館時までの間に限り貸し出す制度。
特別貸出学校図書館などで、夏休みや冬休みなどの長期休暇に合わせて、普段よりも多くの冊数を長期間借りられる仕組みのこと。長期貸出やプラスワン貸出とも呼ばれる。

5. 情報資源・学術情報

用語説明
機関リポジトリ大学や研究機関が、所属研究者の知的生産物(論文等)を電子的に保存・無料公開するためのインターネット上の書庫。
オープンアクセスインターネット上で学術情報を無料かつ制約なく閲覧・入手可能にすること。
コンソーシアム複数の図書館が、電子ジャーナルの価格交渉やサービス向上を目的として結成する共同体。
情報リテラシー情報を主体的に探索、評価、利用、発信できる能力。

6. 著作権・法制度

用語説明
著作権著作者が自分の著作物(思想や感情の表現)に対して持つ、独占的な権利を保護する制度。
引用他人の著作物の一部を自分の著作物の中で使用すること。引用元の明示が法律上義務付けられている。

7. 図書館制度・組織

用語説明
国立国会図書館 (NDL)国立法に基づき設置された、日本の唯一の国立図書館。
国立情報学研究所 (NII)学術情報の収集や情報学の総合研究を行う機関。CiNiiやNACSIS-CATなどを運営している。
学校司書学校図書館に配置され、図書館の運営・管理や読書活動の推進、情報リテラシー教育の支援を行う専門職員。

8. 図書の構成要素・識別子

用語説明
ISBN国際標準図書番号(International Standard Book Number)。図書の識別番号であり、2007年1月から13桁(以前は10桁)となっている。
ISSN国際標準逐次刊行物番号(International Standard Serial Number)。逐次刊行物の識別番号で、8桁の数字で構成される。
奥付書籍の巻末にある、著者、書名、出版社、発行日、定価、著作権表示などが記載されたページ。
バーコード資料に貼付するバーコードラベルのこと。資料IDをバーコード化したもので、貸出・返却時のスキャンや蔵書点検に使用される。
バーコードリーダーバーコードを光学的に読み取る機器。カウンターでの貸出・返却処理や蔵書点検時に使用される。
ハンディターミナル持ち運び可能な携帯型のバーコード・RFID読取り端末。蔵書点検や棚卸し作業時に書架を回りながらデータを収集するために用いる。
RFIDRadio Frequency Identification の略称。電波を用いてICタグ内の情報を非接触で読み書きする技術。図書館では資料へのICタグ貼付により、自動貸出機・返却機や一括蔵書点検に活用される。
FeliCaソニーが開発した非接触IC通信の規格。主に日本・東アジアで普及しており、交通系ICカードや電子マネーに広く採用されている。図書館では企業の社員証と兼用する形で利用者カードのICチップ規格として採用される場合がある。
MIFARENXPセミコンダクターズが開発した非接触IC通信の規格。世界的に広く普及しており、アクセス制御・入退館管理・社員証などに多く採用されている。図書館では企業の社員証と兼用する形で利用者カードのICチップ規格として採用される場合がある。
IDmFeliCa カードの製造時に書き込まれる固有の識別番号(IDentification number for Manufacturing)。カード1枚ごとに一意であり、本システムでは利用者マスターにおいて社員証の識別子として使用する。「IDM」と大文字表記されることもあるが、FeliCa の仕様上は「IDm」(m は小文字)が正式な表記である。
ISILInternational Standard Identifier for Libraries and Related Organizations の略称。図書館および関連機関を国際的に一意に識別するための標準コード(ISO 15511)。また、図書館資料に貼付される RFIDタグのデータ要素として用いられ、館種・機関ごとの識別に利用されている。
FEL書架Front Edge Label(前縁ラベル)を用いた書架。資料の前縁(小口側)に電子ペーパー等のラベルを取り付け、請求記号・所在情報などを表示する。RFIDと組み合わせて使用されることが多い。
タトルテープ図書館資料に貼る磁気ストリップで、出口ゲートの盗難防止装置と連動してアラームを鳴らすためのもの。

9. システム設定・運用

用語説明
SSO (Single Sign-On)一度の認証で複数のシステムやサービスにアクセスできる仕組み。
刊行頻度雑誌タイトルが発行される周期(週刊・月刊・季刊・年刊など)。
受入先資料の購入先となる書店・取次などの取引先。
費目資料の購入費用を予算区分ごとに分類するための項目。