一般財団法人 交通経済研究所様 (前列左から)資料室 古森崇史様 原祥太様 土方規義様 田邊由佳様

業務全体の視点から提案をいただき、柔軟なカスタムによって業務効率もあがりました

一般財団法人 交通経済研究所様は、1941年に設立された財団法人東亜交通学会の法人格を引き継ぎ、1946年に設立されました。設立以来、国内および海外の交通事情や交通経営に関わる調査・研究を行っています。同研究所が運営する専門図書館である資料室では、調査や研究に欠かせない資料や貴重な文献、関連図書を管理しています。2022年4月にLX4.2 SaaSを導入していただきました。約20年間使ってきた図書システムをLX4.2 SaaSに切り替えていただいた経緯をお聞きしました。

交通経済・経営の民間シンクタンクとして交通の発展に寄与

― まずは交通経済研究所様のご紹介をお願いします。

原様:交通経済研究所は、交通経済や交通経営に関わる民間シンクタンクとして、鉄道や公共交通事業者を中心としたクライアントに情報を提供しています。本部は東京の信濃町にあり、資料室は上野と信濃町にあります。月刊の交通専門誌『運輸と経済』の発行も行っています。また、日本交通学会の事務局としての役割も担っています。

上野駅構内にある一般財団法人交通経済研究所資料室様

― こちらの資料室には、どんな資料が所蔵されているのですか?

原様:交通に関する資料はもちろん、各社の社史や交通に密接に関わる都市計画についての書籍などを所蔵しています。図書は約4万冊弱、雑誌は約600タイトルを収蔵し、その約8割が交通関係です。

交通に関わる貴重な資料を管理

― どのような方が利用されるのですか?

原様:当研究所の職員、クライアント、賛助会員企業の方々と一般の方々となります。

― 皆さまのお仕事を教えてください。

土方様:私は室長として、資料室の運営を取りまとめています。

古森様:私は信濃町と上野の両方で業務を担当しています。

原様:同じく、信濃町と上野双方で勤務しています。今回の図書システムの入れ替えは私が担当しました。

田邊様:私は上野資料室に常駐しており、ご来室されるお客様のご案内を担当しています。

専門図書館に合ったシステムを3社比較して、LX4.2 SaaSを導入

― LX4.2 SaaSはいつから導入されていますか?

原様:2022年の4月から導入しています。導入を決定したのが2021年11月ですから、5ヶ月で運用を開始しました。かなり短納期の仕事になりましたが、ご担当の皆さまの対応が素晴らしかったです。

LX4.2 SaaSの検索画面

― LX4.2 SaaSをご利用になる経緯を教えてください。

土方様:図書システムについては、2000年頃から独自のシステムを使用していました。バージョンアップをしながら20年ほど使用していました。残念ながらシステムを設計した会社とのお付き合いがなくなり、バージョンアップができなくなり、保守などに不安が出はじめました。

「以前のシステムを20年間使っていました。」

― 万が一、不具合が起こったら、どのような対応になっていたと予想しますか?

原様:複雑なシステムではなかったので、トラブルなく稼働できており、サーバー管理は当研究所のシステムの管理を行っている会社に委託していたので、深刻な問題はありませんでした。ただ、あくまで委託先から見れば他社製品であることから、プログラム自体の改修や開発を伴うような保守の範囲にはかなり制約がありました。また、業務効率も良いとは言えず、新規の図書システムを検討していました。

― LX4.2 SaaSをお知りになったきっかけを教えてください。

原様:当研究所の資料室の位置付けは、専門図書館と言えます。そこでまずは、同じような専門図書館が、どのようなシステムを使っているのかを調べました。

― 各社のシステムの仕様は、わかるものですか?

原様:URLやWebOPACの下部にあるコピーライト表記、他はマニュアルページなどにシステムの提供会社名が記載されていることが多いです。そこから当研究所の要件に合いそうな3社に絞って問い合わせをしました。

― 発注に際してどのように検討なさいましたか?

原様:まずは、マストの条件が、職員、一般の方、賛助会員様の3つのタイプのユーザーに対応したWebOPACを提供するということでした。ユーザーグループの種別に応じて検索対象の範囲を変えたかったため、これに対応した蔵書登録や検索が可能であることが絶対条件でした。

― 3社の中から、決定要因を教えてください

原様:当研究所のニーズにあっていたことと納期対応でした。3社のうち1社は仕様や条件の折り合いがつかず断念しました。もう1社は仕様や条件はクリアできましたが、導入まで半年という納期が難しかったようです。また、大学図書館などの大規模図書館を前提としたシステムだったため、当研究所のニーズとしてはオーバースペックでした。価格もL Xと比較すると、高額でしたので、LX4.2 SaaSに決定しました。他には、こちらの要件に対して、柔軟にカスタマイズしていただけることもポイントでした。LX4.2 SaaSはクラウド管理なので、サーバーメンテナンスの必要もなくなりました。

「LX4.2 SaaSが最も当研究所のニーズに合っていました。」

LX4.2 SaaSは図書の検索だけでなく、業務改善にも効果を発揮する

― システム導入までにどんな打合せをしましたか?

原様:月2回の訪問とメールで打合せを行いました。まずは、要件と課題となっていることをリスト化して、優先順位を設定しました。納期に合わせて、優先順位の高い内容から作業を進めました。各担当者様の役割が明確で、スムーズに対応してくださいましたので、コミュニケーションは取りやすかったです。

古森様:他社のことはわかりませんが、かなりの数のメールのやりとりをしていました。もしかしたら、ずいぶんと面倒をおかけしてしまっていたかもしれません。

※そんなことはございません。データの管理などかなり美しく整理されており、スムーズなご対応をいただきましたので、短納期にも対応できました。

― 特にこだわった部分があれば教えてください。

原様:インターフェースのデザインや色を法人HPに近づけて、できるだけ違和感をなくすようにしました。また、パソコンだけでなく、スマホやタブレットなどのデバイスによってインターフェースが最適化されるのでユーザビリティも向上したと思います。

古森様:当研究所の場合、独自の分類番号を採用しているので、そちらにも対応をしていただきました。

― 導入してみていかがですか?

古森様:かなり検索の精度が上がったと好評です。私自身も使い勝手の良さを実感しています。他には蔵書データの棚卸ができたことが大きいです。これまで入力されていたけれども、実際には管理上必要のない情報もありました。これを捨てることができ、管理自体もシンプルになりました。

「必要のない情報を捨てることができました。」

原様:主に職員からの感想になりますが、使い勝手やレイアウトの見やすさなどは好評です。また、間違っていた情報も洗い出すことができて、情報の精度が上がりました。これまでは入力項目があるからという理由でデータを入れていましたが、必要のない項目は移行対象から除外することで、運用しやすくなりました。

土方様:図書の検索システムという枠から、資料室の運営全体に対しての視野が広がりました。今後の業務改善に役立てることができると思います。

― 特によかったと感じた提案はどんなことですか?

原様:直近の事例で言うと、Googleアナリティクスへの対応です。時間がかかるかと思っていましたが、即時に設置をしていただきました。ログを解析することで、ユーザーのニーズを把握することができ、運営に活かすことができます。

旧システムを引き継ぐポイントと改善するポイントを明確にして、新システムを導入する

― 社内で、システムの移行はスムーズに進みましたか?

原様:そうですね。切り替え前にプレ期間を設けてもらって、資料室内でテスト運用をしました。年度末と重なったので多忙ではありましたが、わかりやすいマニュアルがあり、不明点があれば、素早く対応をしていただけるので、切り替えはスムーズでした。

― 改めて、LX4.2 SaaSの強みだと思う点をお願いします。

1:業務効率が上がった

督促メールをシステム上で送信できるようになり、朝の忙しい時間帯の業務が楽になりました。文面も柔軟に設定可能なので助かっています。

また、セルフ貸出サービスを実施することができ、担当職員が不在にしていても資料を借り出せる仕組みになりました。カウンター業務を支援してくれることで業務効率が上がりました。

2:拡張性

利用実績などのデータを取得できるので、資料室の運営に拡張性が生まれたと思います。

3:柔軟なカスタマイズ

こちらのニーズに合わせて柔軟にカスタマイズしていただける点も強みです。

4:対応スピード

担当者様の対応がスピーディで的確なので、短納期でも導入ができたと思います。

― これから、LX4.2 SaaSにどんな期待をしていますか?

原様:電子資料への対応を強化できればと思っています。著作権の問題はありますが、まずは当研究所で発行している雑誌やレポートなどから電子化し、WebOPACと連携することで情報提供の時間を短縮できればと考えています。資料室に来室していただいて資料を参照していただくという役割と両立させていきたいと思います。

― 図書管理システムを検討している方に導入に際してのアドバイスをお願いします。

原様:多くの場合は、新規導入ではなく、旧システムからの乗り換えとなると思います。その場合、旧システムとの仕様の違いをどこまでO Kと考えるか線引きをしておくことが大切だと思います。新システムの導入に関しては、慣れるまでに時間がかかることもあり、「前の方がよかった」という声が出るかもしれません。しかし、旧システムの仕様に準じることにこだわりすぎると、カスタマイズに費用も時間もかかりますし、汎用性や保守性に問題が発生する可能性があります。現状の課題を整理したうえで、譲れない一線はどこなのか、業務の進め方を変えれば解決する問題なのではないかなど、検討しておくことが大切です。そういった部分もLX4.2 SaaSは柔軟に対応していただけますし、要件や事情に見合った提案をしてもらえるので、おすすめします。

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